人事では評価の収集など、各管理職の方に社員のリストを送付することがしばしばあります。

その際、各組織ごとのファイルをフォルダに格納し、入力してもらっています。

この「各組織ごとのファイルを作成するツール」が今回ご紹介するツールとなります。

 

動画でも利用方法の解説をしております~^^

 

「ファイル分割ツール」とは

リスト内のグループごとに、ファイルを分割したいという場合に利用するツールです。

作成されたファイルが格納されているフォルダが以下となります。

接頭文字_というファイル名になっている理由は後述します。ここでは、正しくグループごとに分割されていることを確認できました。

 

ダウンロードリンク

以下のファイルをダウンロードしてご利用ください。

 

 

ファイル分割ツールの使い方

1.分割したいファイルを用意する

いきなりツールを使うのではありません。なによりも分割するファイルを用意するのが最初です。

 

ここでは、SMAP、嵐、TOKIOのメンバーのエクセルファイルを準備しました。罫線は分かりやすくするように引いているだけで、処理には何も関係ありません。

 

なお、ファイルには、マスタシートという、ほかのシートを参照させていますが、分割する上で、ほかのシートを参照させていても問題ありません。

このシートでは、メンバーカラーをマスタシートからVlookupで取得しているのと、出身地もマスタシートから「入力規則」でプルダウンにしています。

Vlookup で取得している

 

プルダウンはマスタシートから参照

 

1.A列に「ファイル名」列を追加する

A列に「ファイル名」というヘッダーの列を追加します。実はこれが非常に重要です。追加しないとエラーとなってしまいますのでご注意ください。

2.A列にグループ名(分割した後のファイル名)を入力する

ファイル名は数式(= C4)で入力しても構いません。すべての行について、ファイル名を埋めるようにしてください。

3.A列を含めてフィルターを設定する

上記画像を見ていただくと、後からA列を追加したため、フィルターが設定されていません。A列も含めてフィルターを設定しなおしてください。

これで準備完了です。保存してファイルを閉じておきましょう。

2.Settingシートの「元データファイルパス」を入力する

1.で用意したファイルのファイルパスを入力しましょう。

 

3.Settingシートの「ファイル付加文字」を入力する

基本的にファイル名は1.でA列に設定したファイル名に変更されますが、ファイル名の先頭に共通の文字を設定したい場合にこちらのセルに文字を入力します。

 

この例では、「接頭文字_」という文字をファイル名に付加しています。

 

4.Settingシートの「分割対象シート名」を入力する

1.で用意したファイルの対象のシート名を入力します。

 

5.Settingシートの「分割後のシート名」を入力する

この例では、「リスト」というシート名のシートを分割していますが、分割後にシート名を「リスト」から変更したい場合に、こちらのセルに文字を入力します。

 

特になければブランクで結構です。

 

6.Settingシートの「保存先フォルダ」を入力する

保存先のフォルダパスを入力します。この時、フォルダパスの一番右の文字は「¥」でなくても大丈夫です。(プログラムの中で補正します)

 

保存先フォルダパスに誤りがあれば以下のメッセージが表示されます。(Ver1.2より)

 

7.「ファイル分割 実行」ボタンをクリックする

6.までで設定完了です。

あとは、「ファイル分割 実行」ボタンをクリックしましょう。

 

8.「Result」シートを確認する

完了すると、以下のメッセージが表示されます。

 

Resultシートに遷移し、結果を確認してみましょう。

C列に分割したファイル名、D列はファイルパス、E列には作成時間が入力されます。

 

最後の最後は実際に分割されたファイルを起動してみてくださいね。

 

オプションについて

本ツールには3つのオプションがあります。ファイル分割 実行ボタンをクリックすると、表示される以下のメッセージのことです。

 

ここでは、3つのオプションの解説をします。

 

1.シート内のデータを値貼り付けする

一つ目のオプションは、値貼り付けです。

 

このオプションで「はい」をクリックすると、分割するシートに含まれる数式をすべて値貼り付けした後に分割します。

どういうときに使うかというと、元のシート内に、ほかのブックからVlookupで参照しまくっている場合などがよく使うケースです。

 

他のブックを参照させるとき、仮に作成者のローカルにデータがあると、ほかの方が分割したファイルを開いたときに、そのデータを参照できなくなってしまい、余計なダイアログが表示されてしまいます。

 

このリスクを避けたいのであれば、このオプションを「はい」にしてください。

 

2.ファイルを共有設定にする

二つ目のオプションは、共有設定です。

 

分割したファイルは誰かに参照させたいケースがほとんどです。

 

そのとき、複数人が利用する可能性がある場合、このオプションを「はい」にします。

 

ただ、昔と違って、「共有設定」はMicrosoft の推奨する機能ではなくなってしまいましたので、ファイルが極端に動きが悪くなる(想定しない動きをする)ということもあるかもしれませんので、作ったものの、このオプションを使うことはあまりおすすめしません。

 

3.マクロ入りブックにする

最後のオプションは、マクロ入りブックに設定するオプションです。

 

どういうときに使うのかというと、ブック内でマクロを仕込んでいる場合です。(そのまんま…)

 

私がよく使うケースは、ユーザ定義関数などを作って使っているファイルはこのオプションを確実に「はい」にします。

 

なんといってもユーザ定義関数を利用するために、入れた機能ですから。。

 

よくあるエラー

分割するファイル・シートのファイル名列を追加した後に、フィルターの設定を忘れて発生する不具合が多発しています。分割するシートのヘッダーの「ファイル名」列を含んでフィルターが設定されていることを確認してください。

 

さいごに

人事から各職場へ情報提供する場合に、一つのリストを分割して共有するという状況が結構あります。

例えば、年一回、評価をフィードバックするときに、このツールを使って職場用のExcelファイルを作成するというような具合です。

手順が多いですが、慣れてしまえば色々な場面で使えるツールです。ぜひ使ってみてください。

 

更新履歴

バージョン 更新日 内容
1.0 2021/02/12 初版リリース
1.1 2021/02/13
  • エラーチェックの追加
  • 参考先リンクの追加
1.2 2022/02/27
  • 分割ファイルの保存先フォルダパスに誤りがあった際のエラーメッセージの表示文字列を変更
  • 英語版リリース
1.3 2023/06/16 ファイル名列の情報がすべて数値の場合に分割できない不具合があり、修正
1.4 2024/01/07 元データファイルパスの行頭と末尾にダブルクォーテーションが含まれているときに処理が停止していたが、プログラム内でダブルクォーテーションを削除することで実行できるように修正