ミクロ経済学を履修していますが、完全競争の起業の前提の定義がいつもよくわからなくなってしまうので、備忘として残しておきます。

ミクロ経済学における完全競争の企業

ミクロ経済学における完全競争(perfect competition)の企業とは、以下のような特徴を持つ市場環境において活動する企業のことを指します。

完全競争の特徴

  • 多数の売り手と買い手: 市場には多数の売り手と買い手が存在し、どの売り手も市場価格に影響を与えることができません。つまり、各企業は「プライス・テイカー」(price taker)です。
  • 同質な商品: 市場で取引される商品は全て同質であり、消費者はどの企業の商品を購入しても違いを感じません。つまり、商品の差別化がありません。
  • 完全な情報: すべての参加者(売り手と買い手)は、価格や品質について完全な情報を持っているため、情報の非対称性が存在しません。
  • 自由な参入と退出: 市場への参入や退出には障壁がなく、企業は自由に市場に参入したり退出したりすることができます。これは長期的に利益がゼロになることを意味します。
  • 生産要素の完全な移動性: 労働や資本などの生産要素は、自由に移動できるため、どの企業も同じコストで生産を行うことができます。

完全競争企業の行動

完全競争市場における企業の行動は次のようになります。

  • 価格設定: 各企業は市場で決定された価格を受け入れるしかないため、自分で価格を設定することができません。
  • 生産量の決定: 利潤を最大化するために、企業は限界費用(MC)が市場価格(P)と等しくなるような生産量を決定します。つまり、MC = P となる生産量を選びます。
  • 長期均衡: 長期的には、企業が自由に参入・退出できるため、経済利益はゼロになります。これにより、企業は正常利潤を得るだけとなり、追加の超過利潤は存在しません。

具体例

実際の市場で完全競争に近い例としては、農産物市場(例えば、小麦やトウモロコシなど)や金融市場(株式や債券の市場)が挙げられます。これらの市場では、多数の売り手と買い手が存在し、商品の同質性が高く、価格は市場によって決定されます。

まとめ

完全競争の企業は、市場価格に影響を与えることができないため、市場で決まった価格を受け入れて行動します。この市場環境では、企業は効率的に資源を配分し、生産コストを最小化しながら利潤を最大化することが求められます。